ボウマー・インスツルメント・コーポレーションは1971年に「ボウマー・ブレイン」を発売した。これは広く初の量産型携帯電子電卓と認められているもので、自社でシリコンを製造するのではなく、外部の半導体メーカーから購入した集積回路チップを使って完成品の電卓を組み立てていた。大手半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツ(TI)は、1970年代初頭の電卓ブームの間、ボウマーや他の組み立て会社に電卓用チップを供給していた。この時期は後にビジネス史家によって「電卓戦争」と呼ばれ、ボウマー、コモドール、ロックウェル、TIなどの企業がコストとサイズの削減を競っていた。

その後テキサス・インスツルメンツは、チップ供給者から完成品電卓メーカーへと前方に垂直統合し、ボウマーが競争していたのと同じ小売電卓市場に参入した。しかもボウマーには到底太刀打ちできない構造的優位性を備えていた。TIは自社のチップコストと供給を管理していたが、ボウマーは製品ライン全体に必要な電卓用チップを、TI自身を含む外部供給者に依存し続けていた。

チップ供給者であるテキサス・インスツルメンツは電卓も販売していたため、社内のチップコスト上の優位性を利用してボウマーより価格を安く設定し、ボウマーを破産に追い込んだ。

TIはチップコストを社内で管理していたため、ボウマーに対して構造的な価格優位性を持っていた。

ボウマーには重要なチップの代替供給者がなかったため、TIが自社生産を優先した際に切り替えることができなかった。

TIが供給者と競合者の二重の役割を担っていたことは、ボウマーへの供給が確実かつ安価であることを保証するインセンティブがTIになかったことを意味した。

TIからのチップ納入の遅延と不良品が、ボウマーが価格と品質で競争する能力を損なった。

供給者があなたの市場に参入し得るなら、その依存は戦略的リスクである。脅威となる前に代替手段を確保せよ。

TIはチップコスト上の優位性を武器に完成品電卓へ垂直統合した。チップに依存していた競合のボウマーは1975年2月に破産を申請した。後に自社の完成品市場へ参入してくる部品供給者に依存することの構造的リスクを示す事例として、エレクトロニクス業界および半導体ビジネス史で広く引用されるようになり、同様の力学はその後、部品依存型の他の業界でも観察されている。

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出典

  1. The Consumer Electronics Hall of Fame: Bowmar 901B IEEE Spectrum · spectrum.ieee.org
  2. Bowmar Instruments Files For Bankruptcy Old Calculator Web Museum · oldcalculatormuseum.com