解決策
コンテナ海運の経済性は速度を前提としていた。2007年以前の好況期、世界最大級のコンテナ船の一隻であるエマ・マースクは1日約300トンの燃料を消費し、約1,000トンのCO2を排出していた。不況で貨物が減り燃料費が重くのしかかると、600隻以上の船を擁する世界最大の海運会社マースクは速度を落とすことを選んだ。
業界は巡航速度を25ノットから20ノットに引き下げ、マースクはさらに踏み込んで約12ノットの「超低速航行」を実施した。エンジンは設計出力のほんの一部でも安定して稼働できるよう改造する必要があった。その結果についてマースクは、燃料消費とCO2を30%削減し、2010年半ばまでに燃料費で6,500万ポンド以上を節約したと述べた。
このトレードオフは意図的なものだった。航海には時間がかかるため、頻度を維持するにはより多くの船が必要になるが、燃料費はコストに占める割合が非常に大きいため、節約額は追加の船のコストを上回る。マースクの技術責任者は、低速航行をここ数年の同社のCO2排出削減における最も重要な要因と呼んだ。
達成したこと
船を遅くすれば、所要時間が延びる以上に燃料が減る
うまくいった理由
燃料消費は航海時間の増加よりも速く減少する
エンジンは低出力でも安全に稼働できるよう改造できた
追加の船のコストは節約できた燃料費を下回った
軟調な市場では顧客もリードタイムの延長を受け入れた
応用できること
速度とともにコストが急激に上昇する場合、最も安上がりな効率化は速度を落とすことだ。顧客が待てるなら、船隊全体の経済性が変わる。
その後
低速航行はコンテナ業界全体の標準となり、2010年までには航海日数は大帆船時代に匹敵する水準になった。マースクは排出削減を続け、2020年までに25%削減を目標とし、低速航行を主要な手段とした。
出典をたどる
出典
- Modern cargo ships slow to the speed of the sailing clippers The Guardian · theguardian.com ·
- La industria naviera navega más lento (BBC Mundo) BBC Mundo · bbc.com ·