アイシン(当時はアイシン・エィ・ダブリュ)は、トランスミッション組立のために鋼製ワッシャーを順番に積み重ねる必要があった。作業者はばらばらのワッシャーを数枚ずつ手に取り、約300mmの供給ロッドに手作業で通していた。

各ロッドには約250枚のワッシャーが入り、満たすのに約5分かかり、この作業は1日に約12回繰り返され、合計で約1時間に及んだ。遅く、またワッシャーが小さく金属製であるため、落としやすかった。

解決策はモーターを使わない機構だった。振動する容器とアクリル管である。振動によって各ワッシャーが回転して整列し、自らロッドに滑り込む。これは、軸の上で回すと回転する「がりがりとんぼ」のおもちゃと同じ自己配向の原理を利用している。これを行うユニットは長さ約60cmで、2020年の第25回からくり改善くふう展でグランプリを受賞した。

指ではなく振動に部品を整列させる

振動が指で行っていた反復作業を担うため、作業はオペレーターなしで実行される。

動力源がないため、購入や保守が必要なセンサー、モーター、エアラインがない。

一貫した一列の積み重ねにより、下流での詰まりや傷の原因となる位置ずれがなくなる。

機構は小さく社内製作のため、投資回収はほぼ即座である。

小さな繰り返し力の下で部品が自ら配向できる形状を見つければ、退屈でミスの起きやすい手作業を、決して疲れない安価な機構に置き換えられる。

「全集中!ワッシャー整列の呼吸」装置は、日本の製造業メディアでからくり(無動力自動化)の広く紹介された事例となった。アイシンにはこうした機構の歴史があり、同社は工場やからくり展で革新を続けている。

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出典

  1. 「全集中」でワッシャーを整列 アイシンの振動搬送からくり 日経クロステック(xTECH) · xtech.nikkei.com ·
  2. 振動搬送でワッシャーを整列、「がりがりとんぼ」の原理で回転生む 日経ものづくり(via xTECH) · xtech.nikkei.com ·