GCashは2004年10月、Globe TelecomのG-XchangeによるSMS電子ウォレット「G-Cash」として始まった。サリサリ・ストアやGlobeの販売店を通じた入出金(1取引あたり1.00ペソ)を可能にし、2005年にはGSMAの賞を受賞した。しかし2017年2月時点でも登録顧客は約300万人、週間取引額は約100億ペソにとどまっていた。フィリピン最大のモバイルウォレットではあったが、伸び悩んでいた。

転機は2017年に訪れた。Ant Financial(フィリピンへの初投資)とAyalaがMyntの新株を引き受けたのである(2017年2月17日調印)。GCashはスーパーアプリとして再構築された。まずAlipay方式の決済、次いで融資(GCredit、GLoan)、貯蓄(GSave)、保険(GInsure)、投資(GInvest)を展開し、いずれも取引データからリスクスコアリング(GScore)を行った。入出金は小売店の店頭を通じて急拡大し、2022年には33万9,000拠点、2026年には130万拠点に達した。また2020年にはCOVID関連の政府給付金の支払いが、大規模な初回利用を生み出した。

数字で見ると、ユーザー数は4,600万人(2021年7月)から6,600万人(2022年上半期)、9,400万人の登録(2024年10月。2026年までにMAUは4,040万人、成人の約55%)へと増加した。GTVは1兆ペソ超(2020年)から3.8兆ペソ(2021年)、17.03兆ペソ(2025年)へ。純利益は63.8億ペソ(2023年)、111.3億ペソ(2024年)、172.5億ペソ(2025年)。評価額の目安として50億ドルが2024年8月に付き(AyalaがMUFGとともに8%を追加出資)、2026年10月にはGCashがPSEに上場し、923億ペソを調達した。これはフィリピン史上最大のIPOである。

機能ではなく現金を解決せよ。

インフラはUIに勝る。現金経済においてウォレットの堀はアプリではなく入出金拠点の密度であり、すべての店主を販売代理店に変えることでネットワークは自ら構築される。

データは信用になる。銀行口座を持たない人々の支払い履歴は、銀行が欠いているリスクファイルである。だからこそ融資と資産形成の層は、同じユーザーから支払いマージンの数倍の収益を上げられる。

現金優先の市場では、機能より先に換金レールを構築せよ。街角商店をATMとして使い、基本サービスは無料に保ち、支払いデータによってユーザーを信用と資産形成へと段階的に引き上げよ。

GCashは2025年を17.03兆ペソのGTV、172.5億ペソの純利益、130万の現金拠点、4,040万人の月間アクティブユーザーで締めくくった。2026年10月にはPSEに上場し923億ペソを調達した。これはフィリピン史上最大のIPOである。Globeが33.84%、Ant Internationalが21.44%を保有し、累計融資実行額は3,620億ペソに達した。

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出典

  1. Ant Financial, Ayala Corp. to invest in Globe Telecom's Mynt (Feb 2017 signing; 3M users) Philippine Daily Inquirer · business.inquirer.net ·
  2. GCash monthly gross transactions hit P300 billion The Philippine Star · philstar.com ·
  3. GCash hits 66 million users, P3 trillion in GTV in 1H 2022 (339,000 cash-in/out points) Fintech News Philippines · fintechnews.ph ·
  4. GCash boosts valuation to $5B with new funding from Ayala, MUFG Philippine Daily Inquirer · business.inquirer.net ·
  5. Early GCash backers to cash in biggest chunk of IPO proceeds (₱92.3B, Globe 33.84%, Ant 21.44%) The Philippine Star · philstar.com ·