デュポンが1923年にセロファンの米国での権利を買収したとき、この透明フィルムには最大の市場を阻む欠陥があった。防水ではあったが防湿ではなかったのだ。顧客からは不満が寄せられた。キャンディがフィルムに張り付き、ナイフが中で錆び、葉巻が乾いてしまった。デュポンは27歳の化学者ウィリアム・ヘイル・チャーチを雇い、ただ一つの課題を与えた。1年も経たないうちに彼はフィルムにニトロセルロース、ワックス、可塑剤、混和剤の極薄層をコーティングし、売上は急伸した。

タイミングは完璧だった。1930年代、スーパーマーケットは対面販売をやめつつあり、買い物客は棚から商品を目で選ぶようになっていた。「彼女は目で肉を買う」と1938年の『ザ・プログレッシブ・グローサー』は報じた。最も難しかったのは肉だった。カットした肉はすぐに変色するからだ。しかしセルフサービスの精肉カウンターは30%多く売ることができたため、解決策が現れた。ピンク色の照明、酸化防止添加物、そしてちょうど適量の酸素を通すよう調整された改良セロファンである。1949年までにデュポンは、店内でカットし、計量し、値付けし、包装する「心地よい新しい」肉の買い方を宣伝していた。

現代的な脚注は、このフィルムが生んだ逆説である。多層プラスチック包装はリサイクルが難しいが、軽くてリサイクルできない包装のほうが、決してリサイクルされない重いリサイクル可能包装よりも総廃棄物を少なくできることがある。ある英国のスーパーマーケットが果物と野菜の包装をすべて剥がしたところ、食品廃棄率が2倍になった。別のスーパーマーケットは、プラスチック製のリンゴ用トレイへの批判に刺激され、リンゴを箱からばら売りしたが、輸送中の損傷で多くを失い、販売したリンゴ1個あたりの包装量は増えた。シュリンク包装のキュウリは3日ではなく14日間もつ。

フィルム自体を設計し、防湿性を持たせ、次に酸素の流れを調整することで、透けて見える包装が小売の最も難しいセルフサービスの課題、生鮮肉を解決した。

防湿コーティングがニッチな包装を食品グレードの包装に変え、デュポンの本当の市場を開いた。

透明性と衛生性により、顧客は目で食品を選べるようになり、これはまさにセルフサービス小売が求めるものだった。

酸素透過性を調整したフィルムとピンクの照明が、商品を見ることが不可能に思えた唯一のカテゴリー、カット肉を解決した。

30%の売上増は、小売業者に包装食品を中心に店舗を再設計する強い経済的理由を与えた。

新しい小売フォーマットへの最後の障害はしばしば素材の問題であり、それを解決すればフォーマット全体が一変する。一方でそれが生む廃棄物のトレードオフは直感に反したままである。

セロファンは後にダウ・ケミカルのポリ塩化ビニリデン(第二次世界大戦中の偶然の発見で、サランラップとして商品化された)に取って代わられ、現在のラップは通常低密度ポリエチレンである。それが体現した廃棄物のトレードオフは今も議論の的であり、包装を減らせば食品の腐敗が増えることがあり、どちらが勝つかの計算はめったに自明ではない。

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出典

  1. How to solve the plastic packaging paradox BBC World Service (50 Things That Made the Modern Economy) · bbc.com ·